「飲食店を経営しているけど、集客はどうやってすればいいの?」
「しっかり利益を残せるように売上を出していきたい!」
そんな飲食経営者のあなたにとって、この記事はマーケティングの教科書になります。5Pやら4Cとか意味の無いマーケティング用語や精神論ではなく、重要な「何をすればいいか」をまとめた参考書。飲食店のマーケティング支援コンサルタントを行っている私が作ったものです。忙しい飲食業を行われている方に、ムダな時間は使わせません。
本書の内容は、以下の4段落に分かれています。
- 飲食業におけるマーケティングの目的
- 基本的な飲食店のマーケティング戦略(開業前とオープン後)
- 飲食店で絶対にやってはいけない集客手法
- マーケティングを行っている飲食店の事例アイデア
きちんとマーケティングが出来れば平日も、雨の日でも満席レベルの集客が可能です。
飲食店がマーケティングを行わないと廃業する
「マーケティングしなくても、心を込めて毎日やっていれば自然と人は集まるのでは?」
このようにマーケティングを軽く見ている方もいます。残念ながら、心を込めて毎日頑張るだけで集客は出来ません。ごく稀に初期のお客様の紹介だけで成り立つ飲食店もありますが、それは運です。もしたくさん紹介してくれる良いお客様に出会えていなかったら、廃業になっていたでしょう。
しかしマーケティングをしっかり行えていれば、運に頼らず人を集められます。なので飲食店経営が安定するんです。もし運だけに頼ると、あなたのお店は潰れて借金を背負うリスクが高くなります。それくらい、マーケティングはお店をするなら必要なものなんですよね。
マーケティングはあなたの飲食店の売上、ひいては利益を増やすもの。利益が上がるので万が一病気やケガになっても休む余裕が生まれ、自分らしく働ける職場を作ることが出来ます。
基本的な飲食店のマーケティング戦略
ここからは具体的に、何をすればいいのかをお伝えします。上から順に行っていきましょう。
開業前
すでにお店がオープンしている経営者様も、まだ出来ていないものがあれば満たしていってください。どのマーケティングも飲食店にとって費用対効果が高く、重要な集客方法です。
開業前のマーケティング戦略一覧
- ターゲットの明確化
- 店名決め
- 立地決め
- メニュー考案
- 空間づくり
- 目標値の確認
- ホームページの開設
- 開業前のSNS活用
- Googleマイビジネスに登録
- クラウドファンディング
- 地域webメディアへのプレスリリース
- チラシポスティング
- LINE@の開設
ターゲットを明確にする
まず最初に、あなたの飲食店に来てくれるお客様を明確にしましょう。このお客様像(ペルソナ)がブレていると、この後にあるすべてのマーケティング手法の効果が悪くなります。それほどターゲット設定は大切。
ここで1番守りたいことは、勇気を持って他のお客様を捨てることです。多くの人に当てはまるお客様像を立てるのではなく、たった1人に当てはまるペルソナを立てること。よく経営者様に「人をたくさん集めたいのに1人しか当てはまらないペルソナでいいの?」とご質問を頂きますが、それでいいんです。飲食店はコアなファンから広がっていきますから。
店名を決める
次に、あなたの飲食店の店名を決めましょう。お店の名前も集客に活かせます。すでに決まっているこだわりの店名があれば、それをベースに考えていきます。今回は例として、業種はカフェ、こだわりの店名は「coffee stand Osaka」にします。
この例の場合、店名をより良くする余地があります。基準は2つ…
- スマホ検索のしやすさ
- SNSにおけるハッシュタグの付けやすさ
これら2つを満たした店名が、集客しやすい飲食店です。この基準を踏まえて「coffee stand Osaka」を修正すると、「コーヒースタンド大阪」になります。カップのロゴや空間には英語を使うと、おしゃれ感を出せます。日本語も文字の形(フォント)を工夫すれば良い雰囲気を作れますね。
ほんの小さな差が飲食店の売上、ひいては利益の多さに直結する例です。
立地
次に、あなたの飲食店を構える場所を決めましょう。ご存じのとおり駅前、商店街、商業施設内や住宅地、どこにお店を置くかでお客様のタイプが大きく変わってきます。
ここで最初に決めた、あなたのお店のペルソナ(お客様像)が役に立ちます。ペルソナがより多く集まる場所はどこでしょうか?その土地を選べれば大成功。集客しやすい立地です。
メニュー
次に、あなたのお店のメニューを決めましょう。ここまでのマーケティング戦略でペルソナ、そして立地が決まっているからこそ、確実にお客様に満足してもらえるメニューを作ることが出来ます。
空間づくり
さあ、飲食店開業前のマーケティング戦略も中間地点にやってきました。次はあなたのお店の空間、世界観を作りましょう。
どんな雰囲気にすればいいかの答えは、最初に決めたペルソナが持っています。ペルソナが好む空間はどのようなものが置かれていますか?対話すればどんな世界を創ったら居心地が良く、リピート率の高い空間になるかが分かりますよ。その結果利益率も高い飲食店を立てられます。
目標値の確認
次に、あなたのお店の目標を明確にしましょう。数字を扱うので苦手意識のある経営者様もいらっしゃると思いますが、大切なところなので頑張りどころです。目標値が分かっていれば目指すべきゴールが見えて、今後の経営が楽になりますから。
目標値を出す手順
- 最終的に残したい利益はいくら?
- その利益を残すにはいくらの売り上げが必要?
- その売り上げを出すのに必要な席数、客単価、回転率は?
上記の手順を追って目標値が合わない場合、これまで決めた立地、メニュー、空間を修正しましょう。
ホームページの開設
ここまでやって、あなたのお店は集客力のある飲食店になりました。おめでとうございます!
ここからは実際に、お客様を集めるマーケティング戦略です。ここまでのマーケティング戦略に手を抜いていると、集客力の弱い飲食店、つまり経費だけがかさんで利益の増えないお店になるので注意してくださいね。それほど重要な工程です。
では、ホームページの開設に進みましょう。Webサイトはあなたのお店をより深く知ってもらえる手段です。きちんと理解してもらうことで、リピート率の高いファンを増やせますし、慎重派な新規のお客様も来店しやすくなりますよ。
ホームページ(Webサイト)の開設方法
これでホームページが開設できます。上記は簡潔にまとめた手順です。より細かく知りたい時は詳細にある「ホームページの開設手順」をタップしてご確認ください。
開業前のSNS活用
次に、最初に決めたペルソナに合うSNSを開設しましょう。SNSはTwitter、Facebook、Youtubeなどたくさんの種類があります。その中でも開業前の飲食店はInstagramさえ扱えていれば大丈夫です。
これが告知できる無料の広告媒体となり、かつお店を開ける前からお客様の反応を見れる手段になるんですよ。
Googleマイビジネスに登録
SNSに続き今度は、Googleマイビジネスにあなたのお店を登録しましょう。
これに登録しておけば、あなたの飲食店が地図に表示されます。
近くの飲食店を探しているときにあなたのお店が出てくるので、新しいお客様がより多く訪れてくれます。
クラウドファンディング
次に、クラウドファンディングを行うか検討しましょう。
クラウドファンディングをすればあなたのお店のコアなファンを増やせます。特にインターネット通販を行う飲食店ならやっておきたいですね。
しかし、クラウドファンディングはかかる労力の大きさがデメリット。なので時と場合に応じて、やるかやらないかを判断してください。
地域webメディアへのプレスリリース
飲食店開業前のマーケティング戦略も、残り3つ。あともう少し頑張っていきましょう。次はあなたのお店が建つ地域webメディアに、プレスリリースを出します。
飲食店にとって特に大切なお客様は、よく来てくれる人。ご近所さんはいっぱい来てくれる可能性が高いので、地元メディアに広報してもらうのがおすすめです。ただし高くても5万円以内の予算にしてください。それ以上払っても費用対効果が悪く、経営がしんどくなりますから。プレスリリースはなるべく安く、値段が高かったら行わなくても構いません。
チラシポスティング
次に、あなたのお店から1km圏内の住宅ポストにチラシを配布しましょう。
もし家の方が外にいれば、積極的にあいさつしてください。人見知りにとっては大変ですが、それでもする価値がありますよ。
素早くポスティングを終わらせるより、1人でも多くあいさつを交わすことが重要です。
LINE@の開設
最後に、LINE@を開設しましょう。これはオープン前日までに完成していれば間に合います。
オープン当日、レジの横にLINE@のQRコードを設置して、登録してくれたお客様に特別なサービスを与えましょう。例えば、初回からお会計を100円引きにすること。
LINE@は登録者が増えるほどかかる費用が高くなるので、1度購入してくれたことのあるお客様だけに登録を促すのがおすすめです。
今後LINE@はリピーター向けに、Instagramは新規客向けに発信できる無料の広告媒体として使えます。
オープン後
開業前のマーケティング戦略も1つ1つこなすとなかなか大変です。まずはお疲れさまでした。ここからはオープン後のマーケティング戦略なので、開店日まで一休みしましょう。
経営者様によってはすでに飲食店がオープン済みで、ここから始められる方もいると思います。その前に1度だけ、開業前のマーケティング戦略もご覧ください。もしやっていなかったものがあれば、今からでも遅くありません。土台がしっかりしてこそ、オープン後のマーケティング戦略が本領発揮しますから。利益を多く残せる飲食店は土台が安定しています。
では、オープン後のマーケティング戦略に進みましょう。
開店後のマーケティング戦略
- SNS運用
- 食べログに登録
- セミナーを行う
- リピーターへの特別感演出
- データ分析
- 課題解消
SNS運用
開店してすぐは特にお客様も多く、お忙しいと思います。そんな時でもSNS(Instagram)の運用は時間を割いて行っていきましょう。営業時間を減らしてSNSに時間を割いてもいいくらいです。
食べログに登録
開店後、食べログにあなたのお店をなるべく早く登録しましょう。すぐに掲載しておくことで、開店してすぐに来てくれたモチベーションの高いお客様から口コミを残してもらいやすくなります。開店前に済ませられたら良いのですが、食べログは飲食店がオープンしてからしか登録できない仕組みになっています。この仕組みに文句を言いながらでも、登録しておきましょうね。
他にもホットペッパーグルメ、ぐるなび、Rettyなど似たようなグルメ情報誌はありますが、いずれか1つだけで大丈夫です。中でも食べログは利用率が高く、SEOにも強いので推しているグルメ情報誌。新規客を増やしたい時期は月額1万円のライトプラン、それ以外の時期は無料プランがおすすめです。
セミナーを行う
さてここからは、あなたのお店がオープンして落ち着いてからで構いません。一つ休憩をはさみましょう。
少し余裕が出てきたら、セミナーを開催します。
例えば居酒屋を経営されている場合「美味しいおつまみの作り方」セミナーは良いですね。
このようにセミナーを行うことで、あなたのお店を愛してくれる、より濃いファンを増やせます。飲食店はどれだけ濃いファンを増やせるかが、経営を安定させる重要ポイント。セミナーを開くのは手間も時間もかかりますが、遠い将来あなたのお店に利益をもたらしてくれますのでご安心ください。
リピーターへの特別感演出
飲食店の経営を深く支えてくれるのは、リピートしてくださるお客様です。そんなリピーターには、新規の方には無いサービスを提供しましょう。ここで大切なのが、新規客がリピーターになりたいと思えるサービスにする事です。お店側が「あなたは新規だからダメ」と感じさせる態度を与えないように、十分気を付けてくださいね。
どんなサービスを与えればいいか、例えば新しいメニューの試作を味見してもらうこと。お客様にとっては信頼してくれている嬉しさがありますし、お店にとっても新メニューの反応をうかがえるメリットがあります。
データ分析
あなたのお店をオープンしてから3ヶ月後、溜まったデータを分析しましょう。これを行うことで、今後お店をどのようにしていけば良いかが見えてきます。なお、このデータ分析は毎3ヶ月ごとに、溜めても毎年ごとに行うのをおすすめします。
データは開業前のマーケティング戦略で作ったホームページ、Instagram、Googleマイビジネスに蓄積しています。食べログの口コミやセミナーの感想もデータに活かせますよ。
課題解消
前回行ったデータの分析結果をもとに、あなたの飲食店が抱えている課題を解消しましょう。ここは課題によって対策が変わるので、臨機応変に戦略を立てる必要があります。
時によっては課題が無い場合も。そんな時は順調な証拠!おめでとうございます。少しゆったり働いても安心ですし、新しいことにチャレンジする絶好のタイミングでもあります。ただ気を付けておきたいのが、課題が無いのではなく見つけられていないのかどうか。しっかりデータと向き合い、意識して客観的な目線を忘れないように注意してくださいね。
以上が、基本的な飲食店のマーケティング戦略です。これら以外の集客方法は飲食店にとって費用対効果が悪く、手をつけるメリットがありません。それなら接客や調理にエネルギーを割いたほうがお客様も喜びます。なので飲食店のマーケティング、集客はここまででお伝えした戦略だけ行うのをおすすめします。
飲食店で絶対にやってはいけない集客方法は…値引き!
ここまでは飲食店が行うべき具体的なマーケティング戦略を記載してきました。ここでは絶対に行ってはいけないマーケティング手法をお答えします。それが値引き。
割引すると利益率が低くなって、経営がどんどん苦しくなってしまうからです。簡単にお客様を増やせるのでつい割引したくなりますが、絶対にやってはいけません。お客様からするとなるべく安く買いたいので、今後元の値段で買ってくれる機会が少なくなりますよ。すると利益が少ししか残らず、働いても働いても安定しない飲食店になってしまいます。
むやみに割引するのは禁物。しかし、上手く使えば新しいお客様の来店数増加、リピート率の向上につなげられます。例えば開業前のマーケティング戦略「LINE@の開設」でお伝えした、LINE@の登録と引き換えの値引き。お客様は割引目当てでお店に来ていませんし、LINE@に登録してもらうことでリピート率が上がります。
他にも価格を下げない集客方法があります。例えば、1周年キャンペーン、雨の日や平日にしか出さないそれぞれの限定メニュー販売。値引きより手間は増えますが、あなたのお店を強く支えてくれるファンも増やせるので効果的です。
マーケティングを行っている飲食店の事例アイデア
マーケティングの集客事例を見て、アイデアの種にしましょう。
カフェAの場合
このカフェAはすでに開店しており、開業前からマーケティングは行っていません。オープンしてから今までの分を取り返しました。上から順番に、行った大まかなマーケティング戦略です。
- 個性を売りにする
- ターゲットの再定義
- Instagramの運用
- Googleマイビジネスの修正
個性を売りにする
このカフェはコーヒーの味、店の雰囲気がとても良かったのですが、店主が極度の人見知りでした。努力はしていても愛想が悪いとお客様に感じられることがあり、口コミに良し悪しが出ていました。そこでその個性(人見知り)を活かして伝え方を工夫し、逆にそのお店の売りにします。
ターゲットの再定義
お店の売りが変わったので、それに合わせてターゲットとするお客様を調整します。当社ではここで、そのお店がお客様に提供できる価値を最大化するためのフレームワークを使います。
Instagramの運用
Instagramを始め、使いこなせるように設定しました。同時に今まで使っていたFacebookの運用を止めて労力を減らし、かつ集客効果は高めました。
Googleマイビジネスの修正
Googleマイビジネスに登録しているだけだったので、集客効果が最大になるように修正します。
【PR】飲食店のマーケティング支援コンサルタントしています
ここまでが飲食店のマーケティングの具体的なやり方です。もっと詳細に、効果的な扱い方は無料で公開できません。例えば…
- 利益率を上げるホームページの組み立て方
- 新規客をバンバン増やすInstagramの活用法
- 新規客をバンバン増やすGoogleマイビジネスの扱い方
- クラウドファンディングの成功率を最大限に高める進め方
- 反応率の高いポスティングチラシの作り方
- 溜まったデータの適切な分析方法
これらは私が飲食店の経営者様にコンサルをご依頼頂いて、内密に公開している内容です。合わせてその飲食店専用のマーケティング、集客のご支援をしています。
[st-mybox title=”詳細” fontawesome=”fa-check-circle” color=”#424242″ bordercolor=”#424242″ bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] [/st-mybox]