デジタルによって顧客データの取得が容易になり、データをもとに意思決定をする「データドリブン」という言葉が出てくるようになりました。
その言葉の本当の意味は「目的があって集計・分析したデータをもとに意思決定すること」なのですが、言葉が一人歩きして、とにかくデータを集めて分析しようという会社が多いのが実態です。
大切なのは、目的に応じたデータを集計・分析し、その分析結果になったのはなぜかを問い、仮説を立てて検証すること。なぜならデータとは、見込み客の心そのものだからです。
心の動きがそのデータを作る
データを活用するにはまず、データとは何から出来上がっているものか理解しておく必要があります。そうしないと単なるグラフや数字にしか見えないからです。
データとは心の動き、人間の心理行動そのものから構築されたものです。つまりグラフや数字とは、複数の人間の心理行動の統計データともいえます。
この大前提を感覚的にでも理解しておくと、データをデータとして見るのではなく、データを見込み客の心理と捉えることができます。すると、データから仮説を立てられるようになります。
データと仮説はつねにセット
多くの会社はデータを集計・整理することまでは出来ています。しかし、データから仮説を立てて検証することまで出来ている会社となると、途端に数が減ってしまいます。前述の、データを顧客の心理として捉えることによって仮説が見えるようになることも理由の1つですが、データを整理することそれ自体が目的になっているケースもありました。
データは仮説とセットになって初めて価値が生まれます。「仮説を立証するものがデータ」で、どちらか片方が抜けると全くもって意味が無くなってしまいます。それほどデータと仮説は仲良しで、2つ揃って初めてデータドリブンであるといえます。
「CDP」「DMP」「MA」など、データドリブンを語るときにこれらの専門用語がよく出てきますが、こういったバズワードは一旦無視して大丈夫です。これらは単なるデータ整理効率化ツールであり、最も重要な、分析結果を問うて仮説を立てて検証する根本的な考え方を浸透させる手助けにはならないからです。
何よりもまず既存のデータ(もしくは過去の体験)から仮説を立てること。その仮説を立証するデータが足りず、ツールでそれらのデータを取得できるとなって初めてツールを活用するほうが健全な投資になります。
マーケティングにおける仮説の質は経験値に依存する
ここまでで、本質的にデータを活かすには仮説が大事になってくることが明らかになりました。その「仮説には深さという質」が存在します。ここでいう深さとは、その仮説に至った推論のことを指します。
例えば、野菜ジュースのWebサイト経由の購入率を上げるためには何をすべきか、という問いを立てたとしましょう。その問いに対する仮説は複数出てくると思いますが、その仮説の質は「データ材料、人間の行動原理の理解度、これまで本気で成果を追求してきた実戦の経験値」これら3点の足し算によって左右されます。
特に最後の「これまで本気で成果を追求してきた実戦の経験値」は、どうしても時間がかかります。また、本気で成果を追求してきたかどうかが重要で、それなりに過ごしてきた実戦と比べると得られる経験値が違います。
上記の3つは足し算なので、行動原理や実戦経験が少なくてもデータ材料である程度まかなえます。しかし、競合他社も存在するなかで自社が勝ち切るには3つ全ての練度を高める必要があります。
当社はマーケティングを専門とする支援会社として、今も日々3つの練度を高めています。
Evan inc. の特長
- ミッション達成へのこだわり
- 事業成長に直結した本質的なマーケティング
- 人の心を大切にするデジタルマーケティング